徳川家康の生涯を辿る!家康ゆかりの寺社巡り

富士を望む駿河の国、静岡。 戦国の覇者・徳川家康公が、その生涯において三度、拠点を置いた地です。人質として送られた幼少期から、天下を治める大御所として過ごした晩年まで、静岡市内には、家康公の生涯に深く関わった神社仏閣が、今も当時の物語を語りかけてくれるかのように佇んでいます。 

ひとりの少年はいかにして、乱世を終わらせる「神」となったのか。5つの聖地を巡る道のりは、家康公が絶望を希望に変え、不可能を可能にしてきた「成功の秘訣」を一段ずつ登る旅でもあります。

それぞれの地に刻まれた歴史を繋ぎ合わせたとき、あなたの心には、家康公がその生涯で証明した「ある答え」が浮かび上がってくるはずです。今、その強靭なパワーにあやかり、人生を切り拓く力を得る歴史旅へ、出かけてみませんか。今回はそんな家康公の生涯順にご紹介します。

徳川家康の生涯を辿る!家康ゆかりの寺社巡り

〈今回紹介するスポットMAP〉

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  • 小梳神社
  • 臨済寺
  • 静岡浅間神社
  • 鉄舟寺
  • 久能山東照宮
  • はなあおい

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①幼き竹千代が祖母と参拝した「小梳(おぐし)神社」

静岡駅から徒歩5分、ビルが立ち並ぶ繁華街にありながら、一歩境内に入れば街の喧騒を忘れるほどの静寂が広がっています。かつては駿府城内にあり、人質時代の竹千代(家康公)が祖母・源応尼と共に、日夜武運を祈った場所でした。


駿府城築城後は「城の守護神」とされましたが、のちに家康公が大御所として再び駿府へ戻る際、城の拡張に伴い現在の地へと遷されました。境内では御朱印(直書き・書き置き)を拝受できるほか、金色の「金運守」や、御祭神・須佐之男命にあやかった「厄除開運守」など、豊富なお守りが揃っています。


波乱の時代、人質という境遇から一歩を踏み出した家康公。この「小梳神社」は、のちに泰平の世を築く公の歩みが始まった、まさに原点の地です。何か新しいことを始めようとする人にとって、ここでの参拝は、時を超えて家康公の志に触れる心強い支えとなることでしょう。

小梳神社

<所在地>

静岡市葵区紺屋町7-13


<問い合わせ>

054-252-6660

小梳神社

②竹千代が学びを受けた「臨済寺」

賑やかな市街地を抜け、賎機山(しずはたやま)の麓へと足を運ぶと、今川氏の軍師・太原雪斎(たいげんせっさい)が住職を務めた修行道場「臨済寺」が見えてきます。人質時代の竹千代(家康公)は、この寺で雪斎から英才教育を受けたとされています。兵法や儒教、外交の機微に至るまで、天下取りの土台となる高度な知性は、この厳しい修行の場で培われました。


現在も僧侶が修行に励む禅寺のため、普段は門内から境内の景観を眺める参拝となります。しかし年に二度、5月19日と10月15日の特別公開日には、家康公が実際に雪斎から指導を受けたと伝わる「手習いの間」が公開されます。御朱印は3種類あり、公開日のみ受けられます。修行僧が生活する独特の静けさの中に、若き日の公が学問に打ち込んだ確かな足跡を辿ることができます。

臨済寺

<所在地>

静岡市葵区大岩町7-1


<問い合わせ>

054-245-2740

臨済寺

③元服式を行った「静岡浅間神社」

家康公が14歳で元服の儀を執り行い、武将としての第一歩を踏み出したのが、この静岡浅間神社であると伝えられています。

当時、今川氏のもとにあった公は、今川義元公を烏帽子親として成人を迎えました。その際、義元公から「元」の一字を賜って「元信」と名乗り、あわせて義元公が新調した「腹巻(鎧)」を授かったというエピソードが残されています。この腹巻のレプリカは、神社のすぐ近くにある「静岡市歴史博物館」に展示されており、家康公の若き姿に思いを馳せることができます。


広大な境内の一角に鎮座する「八千戈(やちほこ)神社」は、家康公が深く信仰した軍神・摩利支天(まりしてん)を祀る場所です。ここでは、戦勝を祈願したとされる「かちふくべ(勝ち瓢箪)」の絵馬を奉納することができます。人質時代の不遇を乗り越え、勝利を願い続けた公の切実な祈りは、この絵馬の形となって現代に引き継がれています。


参拝の折には、授与所で御朱印やお守りを受けることができます。人生の大きな節目を迎え、勝利への決意を固めたこの地は、勝負事や大切な決断を控えた参拝客が足繁く訪れる、力強い場所となっています。

静岡浅間神社

<所在地>
静岡市葵区宮ケ崎町102-1


<問い合わせ>

054-245-1820

静岡浅間神社

④終焉の地として選んだ久能山のお寺「鉄舟寺(旧久能寺)」

日本平の麓に位置するこの寺は、かつて久能山の山頂にあった「久能寺」を前身としています。永禄11年(1568年)、駿河へ侵攻した武田信玄が久能山を軍事拠点(久能城)とする際、山頂にあった寺をこの地へ移させたと伝えられています。のちに幕末の志士・山岡鉄舟が、荒廃していた寺の再興に尽力したことから、その名にちなんで「鉄舟寺」と呼ばれるようになりました。


古くから時の権力者の庇護を受けてきた名刹であり、家康公もまた、この寺を大切に守り続けたといわれています。家康公が自らの永眠の地に、久能山を指名したのは、かつてそこにあった久能寺との深い関わりがあったからなのかもしれません。寺の至る所に徳川家の家紋「三つ葉葵」が施されているのは、公にとってこの寺が、単なる保護の対象を超えた特別な存在であった証とも受け取れます。


参拝の折には、通常の御朱印に加え、山岡鉄舟の姿が描かれた鮮やかな特別御朱印を受けることができます。家康公が築いた泰平の世を、幕末の動乱から救った鉄舟。二人の意志は、時代を超えて、このお寺に受け継がれています。

鉄舟寺

<所在地>
静岡市清水区村松2188


<問い合わせ>

054-334-1203

鉄舟寺

⑤神として祀られる「久能山東照宮」

季節数量限定の『さくら御朱印』
季節数量限定の『さくら御朱印』

元和2年(1616年)、75歳で生涯を閉じた家康公。その「遺骸は久能山へ葬るように」という遺言を受け、二代将軍・秀忠公によって現在の壮麗な社殿が造営されました。家康公は今、「東照大権現」という神として、この地から泰平の世を見守っています。
家康公を祀るこの聖域へは、日本平からロープウェイに乗って向かいます。空中から眺める断崖と駿河湾の絶景は、まさに神域へ近づく序奏のよう。

絢爛豪華な社殿で祈りを捧げた後は、さらにその奥に位置する家康公のお墓「神廟(しんびょう)」へ。かつての天下人と対峙し、直接お墓参りができる、まさにこの旅の終着点にふさわしい聖域です。


参拝の折には、神廟前にぜひ掲げられた「御遺訓」を読んでみてください。「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し」に始まる、人生観を凝縮した言葉の数々。この教えを記したおみくじも用意されており、現代に生きる私たちの心にも深く響きます。花々が境内を彩る季節の4月17日は家康公の命日で、毎年例祭が執り行われています。この時期には、季節限定の御朱印もあります。


幾度もの暗殺の危機を乗り越え、愛する人々との別れを幾度も経て、それでも戦なき世を願い、強く生き抜いた家康公。その波乱の生涯を、最後にこの静岡の地で静かに振り返られたのでしょう。この地へと辿り着いた家康公は、神となって今、私たちを出迎えてくれます。

久能山東照宮

<所在地>

静岡市駿河区根古屋390


<問い合わせ>

054-237-2438

久能山東照宮

久能山東照宮の参拝完全ガイド!

久能山東照宮は、静岡市を代表する神社・観光地のひとつであり、市内で唯一、国宝に指定された御社殿を有する特別な存在。静岡市内の神社仏閣を数多く取材してきた神社仏閣・歴史文化ライターが、初めて訪れる方・リピーターの方にも役立つ視点で、参拝順や見どころをご紹介します。

久能山東照宮の参拝完全ガイド!

おわりに

久能山東照宮での参拝を終え、ロープウェイで日本平へと戻ってきたとき。旅の締めくくりに、駅舎にあるレストラン「はなあおい」で、ふっと一息ついてみませんか。


そこには、家康公が愛した風景と味が待っています。 家康公がこよなく愛した雄大な富士山。そして手元には、静岡の温かい緑茶ときなこのお餅。家康公の好きなものが一つに集まった「富士山スイーツセット」で、心ゆくまで「いっぷく」を。自分のことより世の中を。そう願い続け、重荷を背負って遠き道を歩み抜いた家康公。ようやく肩の荷を下ろし、この地で安らぎを得た公の心に触れるような、穏やかな時間が流れます。

ひたむきに生き抜き、戦のない世を創り上げた家康公の人質であった少年時代から始まった物語。その足跡をたどり終えたとき、あなたの背中を家康公が力強く押してくれるはずです。「何事も一心になせば成らぬということなし 」と。

ライター紹介:大倉麻衣子

静岡県内の魅力を発信するフリーライター。
神社仏閣や史跡を中心に、徳川家康公ゆかりの地をはじめとした、静岡市に残る歴史や伝承について、文献調査や現地取材を重ねながら、とくに各地に語り継がれてきた伝承や物語に注目して執筆しています。
地域に受け継がれてきた背景や物語を丁寧にひも解き、「歴史ツウ」になれるような情報をお届けします。

ライター紹介:大倉麻衣子

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